2009/11/06

選択という行為 - トランスマット DJ コラージュ

ここのところ選択と組み合わせという行為にフォーカスしています。選択や組み合わせのセンスが今後一つ重要になってくるのではないかと思っています。考えの元になったヒント達を以下にあげます。

  • 優れたDJ
沖野修也曰く優れたDJというのは単品で聴くと面白くない曲でも、選曲の流れというプロットの中に置くことでかっこよく聴かせるんだとか。プロットというのはこの場合音の重なりのつながりであったり、リズムのつながりだったり、コードのつながりだったり、歌詞のつながりであったり、DJセット全体がストーリーを持っていたり、音楽の歴史を表現していたり、関係のないジャンルの曲同士に関係性を見出したりすることを指すんだそうです。そしてそういった関係性は前後の曲以外の曲同士の関係性にも発揮できるそうです。それまで私はDJはなにも創造していないと思っていました。しかし、この意味においてDJは創造的なんだと気づかせてくれました。そして彼らの選曲に対するストイックな雰囲気や自尊心がどこからくるのかも少し理解できた気がしました。

  • 映画 Techno
映画テクノ(Web上のどこにも見つからない!)の中であるアーティストが”私たちはミュージシャンじゃない。コラージュアーティストだ。” と言っていました。テクノを批判するときに”過去の資産なしじゃ成り立たない音楽だ。何も創作していない。”という論調をときどき見かけるのですが、コラージュ・アートとする認識は持っておいたほうがいいのではないかと思います。

  • コラージュ
偶然性から新しい発見をする方法、偶然の産物に理由付けを後から行う手法、過去の作品と自分の作品を結びつける手法。

  • アンディ・ウォーホル
物があふれると、消費が始まる。悪いニュース、セレブレティすらも消費されすぐ忘れ去られる。

  • トランスマット
この選択についてのアイディアの一番最初のヒントになったのはホアン・アトキンスとかデリック・メイ、ケビン・サンダーソンなんかのデトロイト・テクノ勢がトランスマットとか10番目の惑星とかテクノっていうSFをモチーフにした造語を作ってたことです。ある概念を言語化するという行為は、あやふやなものを実体化する行為であるという発見をしました。そして言語化された概念というものはコンパクトなので積み重ねられますね。

このように、一見何も創造していないように見える選択という行為ですが、非常に高い創造的なセンスが要求されます。しかし、イノベーションと違いがあるとすれば、イノベーションは過去の累積の上に新しいものを置く行為であるのに対して、選択には発見そのものを過去と照らし合わせてどう行うかということに重点が置かれているのではないでしょうか。

長くなったので今日はここまで
次回は自然言語と人工言語、サンシャイン牧場、価値の消費などについてお話しするつもりです。
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